中国空母「遼寧」および「山東」が沖縄周辺を“コ”字に取り囲むように航行し、艦載機100回超の離着陸を繰り返した。表向きは「高度な作戦行動」だが、実態は誇示のためのパフォーマンスである。
というのも、この動きは軍事的にほとんど意味がなく、実戦となれば海上自衛隊の潜水艦部隊に一撃で撃沈させられる──そう断じざるを得ないからだ。

稚拙な“見せる軍事行動”の限界

中国軍は今回、日本のF-15に対してJ-15がレーダー照射を行ったとされ、外交的な応酬に発展した。しかし、そもそもここまで近距離での行動しか示せない時点で、作戦能力の限界が見えている。

人民解放軍はハードウェアこそ巨大化したが、運用能力は未成熟。言い換えれば、装備は近代化しても中身は人民服のままという構造的弱点を抱える。

特に中国空母部隊は
・固定翼機の離着艦能力が低い
・対潜網が極めて脆弱
・艦隊防空のレベルが世界標準に届いていない
という“初歩的な欠陥”を、国際的な軍事専門家から指摘され続けている。

今回の沖縄周辺での訓練も、単に航行と離着艦を繰り返しただけで、戦術的な意味は皆無。むしろ、日本側に自らの動きを丸裸にさらしたようなものだ。

最大の弱点──海自潜水艦の“無音の刃”に耐えられない空母群

世界で評価が最も高い潜水艦部隊はどこか。
米国でも英国でもない。答えは海上自衛隊である。

とりわけ
・「そうりゅう」「たいげい」型に代表される静粛性
・熟練した乗員の練度
・高性能魚雷の命中精度
は、NATO諸国が“世界一”と認める水準にある。

一方、中国の空母部隊は対潜能力が脆弱で、周囲の海域を完全に守ることができない。
そのため、遼寧や山東のような大型艦は、実戦では潜水艦からの一撃で沈没するリスクが極めて高い。

南シナ海や東シナ海のように水深変化が複雑な海域では、海自潜水艦の“死角からの接近”を検知するのは不可能に近い。今回のように大きな弧を描いて航行すれば、その分だけ海自潜水艦に侵入経路を与えることになり、むしろ不利である。

要するに、どれだけ空母を走らせても、潜水艦を相手にした瞬間にゲームは終わる。

遼寧が南大東島付近まで進出したところで、軍事的には何の意味もない。
その巨大な艦体は「魚雷の標的が広がっただけ」である。

“挑発”を繰り返す理由は、弱さの裏返し

中国は「日本が訓練を妨害した」と反論したが、これは国内向けの政治宣伝に過ぎない。実態として、人民解放軍は自衛隊の緻密な情報収集・監視体制の前に完全に見透かされている。

本来の強軍であれば、今回のような露骨な挑発行動は必要ない。
挑発とは、不安の裏返しである。

・空母作戦が未熟
・対潜防御が致命的に弱い
・作戦海域では自衛隊に完全に監視されている

だからこそ、“動いている姿を見せる”という古典的なプロパガンダに頼らざるを得ない。

日本が冷静である理由──実力差を理解しているから

日本側が過度に反応しないのは、“勝ち目がない挑発”だと理解しているからだ。

もし有事が起きれば、
・海自潜水艦が一撃で遼寧を沈め
・護衛艦隊は中国艦を長距離から無力化し
・航空自衛隊は展開前に制空権を確保する

というのが現実的なシナリオである。

中国がどれほど衛星写真を使って馬毛島を話題にしようが、核心は変わらない。
海洋作戦では、海自が圧倒的に優位である。

人民解放軍の行動は、軍事ではなく“政治ショー”

レーダー照射も、空母の航行も、沖縄周辺での離着艦も、すべては国内向けアピール。
軍事的には意味がなく、実戦では勝ち目がない。

中国空母部隊の現状を一言でまとめるなら──
「人民服レベルの稚拙さを、近代装備でごまかしているだけ」

海上自衛隊の前では虚勢でしかない。