マンションの退去時清掃は、新たな入居者を迎えるために重要な工程です。部屋の印象や契約条件に直結するため、不動産管理会社やオーナーも慎重になります。私は今年6月、親族からの依頼で、全国的にテレビCMも放映している大手ハウスクリーニングブランド「お掃除本舗」に依頼しました。
結果は――率直に言えば、期待外れでした。
退去時清掃で遭遇した予想外の人材
依頼したのは、お掃除本舗のフランチャイズ店舗。作業当日、現場に来たのは責任者と若いスタッフ2名。しかし、その若者たちは作業服ではなく私服で、耳にはピアスを付けていました。外見だけで判断はできませんが、清掃業務に慣れていない印象は拭えません。
実際、作業が始まるとその懸念は現実になりました。窓ふきや床清掃は不完全で、キッチンや浴室も「ざっと拭いただけ」のような状態。清掃の不備を指摘すると、反抗的とも取れる態度が見られました。これは私の感覚ですが、接客業としての基本的な姿勢にも欠けていたように思います。
苦情対応で知ったフランチャイズの人材手配事情
翌日、カスタマーセンターに苦情を申し入れると、地区マネージャーと名乗る人物が対応しました。事情を聞くと、スタッフの人選は各店舗オーナーの裁量に任されており、この日は普段現場に出ている責任者の息子が急病のため、急遽派遣会社から人員を手配したとのことでした。
つまり、現場経験のない人材が退去清掃に投入されたわけです。結果として、サービスの品質は大きく低下しました。
フランチャイズの盲点:ブランド力と現場品質のギャップ
お掃除本舗のような全国ブランドは、本部の研修やマニュアルを備えていますが、日常の品質管理や人材教育は各店舗の経営姿勢に左右されます。フランチャイズ形式では、この点がサービス品質の差として現れます。
同じ看板を掲げていても、現場のオーナーの方針やスタッフ教育の徹底度で、仕上がりは大きく異なるのです。
過去に利用した別店舗との落差
実は以前、私は別エリアにあるお掃除本舗の店舗(築地エリア)を利用したことがあります。その店舗は全国大会で優秀賞を受賞した経験があり、作業も非常に丁寧で、仕上がりはまるで新築並みでした。
この経験からも、同じお掃除本舗でも店舗ごとの品質差が大きいことがわかります。
一部返金で解決したのか?
今回のケースでは、最終的に店舗側から一部返金が行われました。返金自体は誠意のある対応に見えますが、退去清掃はやり直しが効きにくく、物件の印象や契約スケジュールに直結するため、「安くなったから良し」とは言えません。
利用前にできるリスク回避策
お掃除本舗を含むフランチャイズ型の清掃サービスを利用する場合、事前の確認が有効です。
- 店舗ごとの評判を調べる
Googleマップの口コミや地域掲示板を活用する。 - 担当スタッフの経験を確認する
「経験のあるスタッフが作業するか」を事前に質問する。 - 過去の実績を聞く
他物件の施工事例や写真を確認する。 - 作業体制を明確化する
当日の人数や担当範囲を事前に把握する。
フランチャイズ利用の心得
- ブランド名だけで判断しない
現場のオーナーの姿勢が品質を決める。 - トラブル時の連絡経路を確認
本部か店舗、どちらが最終責任を持つのかを事前に把握。 - 大規模依頼前に試す
小規模な依頼で品質を見極める。
まとめ
お掃除本舗のような全国ブランドは、安心感と知名度がありますが、フランチャイズである以上、品質は各店舗に依存します。優秀な店舗に当たれば大きな満足を得られる一方、不慣れな人材が来れば期待外れに終わることもある――。今回の経験は、改めて「サービス業は人で決まる」という事実を思い出させてくれました。